三法印というこの世の仕組みが明らかになった後、「苦」から逃れる方法を探そうと仏陀は考えます。
そこで明らかになったのが「この世の中は、苦で出来ているのだから、苦から逃れる事は無い」という事でした。しかし、同時に「苦」を「苦とも思っていない」という事も存在します。それはどういった事か?
「苦を集めてきているのは、自我の仕業」だからなのです。
そう、人によっては異なる自我のせいで「苦」は「楽」にもなるし、「楽」が「苦」にもなります。「苦を消滅させるには、自我無くせばいい!」と仏陀は悟るのです。
そして、その自我を消滅させる実践的な方法として【八正道】という8つの方法を仏陀は記したのです。
これは、日ごろの生活習慣そのもので、時に現代人は「楽」を「堕落」とはき違えてしまいます。確かに「面倒くさい」という事からやらないと選ぶ楽は、楽かも知れませんが、必ず後からツケは回ってきます。
この楽は「芯の楽」とは違い「堕落の落」ですね。
堕落を楽とはき違えずに、芯から楽を手に入れる為には「生活」を見直す事が一番なのです。
【八正道】
1.正しく物事を見る「正見」
物事を、自分の経験や先入観、偏見で見るのではなくありのままを捉えましょう。
2.正しく物事を考える「正思惟」
正見を元に、偏見なく自分の物差しに固執する事なく、物事のみを見て正しく考えましょう。(人の考えの予想・見栄・多分とした感覚も、正思惟が出来ていないとなります)
3.嘘を言わず正直に話す「正語」
正思惟を元に、嘘を言わず適切な言葉や言葉使いをしましょう。(見栄や誤った優しさは極端に言えば「嘘」になりますね、また綺麗な言葉使いをする事で心も洗われて行きます。)
4.正しい行動をする「正業」
正語を元に、適した行動を取りましょう。(自分が発言した事を、実行、可能にする行動を取りましょう)
5.正しい生活をする「正命」
正業を基盤とした生活スタイルを構築しましょう。(発言と行動が伴わない、行動が生活に伴わないなどが出ないように、その生活スタイルを作りましょう)
6.正しい努力をする「正精進」
正命によって構築された生活スタイルを維持する努力を行いましょう。(不摂生をしない、暴飲暴食、早寝早起き、など長く維持する為にはそれなりの努力が必要になりますね。)
7.正しい心構えを持つ「正念」
正精進を受け、何事にもきちんと受け答えができる心構えを養って行きましょう。(人の言葉や行動に左右されるのではなく、自分というものをしっかり持ち、ブレナイ姿勢を作りましょう。)
8.正しく心を安定させる「正定」
正念という心構えが出来た時、何が起きても動じる事のない清らかな境地に立つ事ができると言われています。この時には「ストレスをストレスだと感じない精神」が備わっている、そんな状態です。
その状態を長く維持できるように安定を心掛けましょう。
八正道は、大人になればなるほどズルを覚えてしまうと中々実行に移しにくい事かも知れませんが、子供の頃に両親や学校の先生などに注意されるような、そんな簡単な事でこれらは基礎です。
正しい事、がかっこ悪い・・と、世間や見栄という苦を背負いすぎると、中々正しい事は出来ません。
しかし、ストレスに対峙する為にはこうした「正しい道」を進む他ないのです。
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